スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 |
取引コストの削減というトレーダーにとっての永遠の課題
2015-10-04 Sun 21:50

spread150915_01

A社はドル円のスプレッドを0.3pips、B社は今月から0.25pips…

という不毛なスプレッド競争を日本のFX業者は繰り返してきたのだが、それも最近は限界に来て各社とも明確な差を打ち出せなくなってきた。
元々はインターバンク間でのコスト競争がリテールにも波及し、リテールのFX取引でも飛躍的に取引コストが減ったと言われ、今やインターバンク以上にリテールFXの方がコストは安い。

が、それはあくまでも取引手数料(スプレッド)というコストを見た場合だけ。
毎回スリッページが発生するような業者がスプレッドを0.1pip縮小して何の意味があるのか。


http://www.imes.boj.or.jp/research/papers/japanese/kk30-2-2.pdf
取引コストとして、日銀金融研究所の杉原慶彦氏は下記の4つを挙げている:

・取引手数料:売買する度に掛かる手数料
・投資に伴うコスト:スリッページや税金
・売買に伴うコスト:スプレッド(※)、マーケットインパクト、そしてタイミングコスト
※リテールFXではスプレッドを取引コストに含めた方が良いのかも。
・その他のコスト:機会コスト

取引所でのコストやアルゴリズムを用いるような機関投資家を念頭に書かれているのでリテールFXに全て当てはまる訳では無いかも知れないが、十分参考になる。
要するに、取引手数料(スプレッド)はコストの一部に過ぎず、取引コスト全体として見ればまだまだ削減の余地があるという事。
そしてリテールFX業者も取引手数料(スプレッド)という取引コストのごく一部に拘るのでは無く、それ以外のコストの研究・改善に努めて欲しいとは思う。

最近の日本以外の海外FX業者は無理なスプレッド競争に走らず遅延コストを意識したところも多い。
金融機関がよく利用するEquinixという有名なデータセンターにサーバーを置く、というのが代表例だろう。
個人投資家にもColocationを利用出来るようにしている業者もある。
一部のECNプラットフォームではマーケットインパクトというコストに主眼を置いた物もあるのだが、残念ながら個人投資家が利用するにはかなりハードルが高い。


ちょっと難しい話になったので平たく言うと、スプレッドだけでは無くスリッページ、スリッページが発生する要因にも目を向けましょう、という事。

一般のOTC業者(非STP・ECN業者という意味で)では、顧客側の努力で削減可能なコストは少ないかも知れない。
業者から提供されるGUIのみで取引を行い、流動性が見えず、スリッページもほぼ運任せ、という環境で出来る事は少ない。
業者のサーバーの位置を探って物理的に近い or 同じサーバーを借りたとしても、遅延コストやスリッページコストの方が圧倒的に大きい。
使ってみて約定が遅くスリッページが多ければ別の業者に移る、という程度だろう。
仮に自分で業者のプラットフォームをいじったりすれば、問答無用で良し悪しに関わらず口座を凍結される。


一方、NDDだと自分で出来る事は沢山あるとは思う。
ECNであればcolocationまたは物理的に近いサーバーを借りて約定の遅延コストのミニマイズ、注文方法(例えばFOK)によるスリッページコストの削減、そこにアルゴリズムを組み込んでスリッページの抑制・・・etc。
マーケットインパクトに関しても、例えば10本を一回で放り込むのでは無く小口化した場合のコストを研究してみたり、SORしてみたり、あるいは色々と分散化してみたり。


そういう事を10年、20年前から機関投資家は考えてきた訳で、その結果として現在の金融市場ではアルゴリズムが活発に用いられている。
アルゴリズムと聞くと何となく悪いイメージを思い浮かべる人は多いかもしれない。
だが、アルゴリズムというのは単に人の手を介さないシステムによる注文の総称であって、その利用方法としてはコスト削減がメインだ。


ebs-volumes-manual-vs-algo
http://singledealerplatforms.org/2014/01/14/whats-happening-with-ecns/

上記はEBSに於けるアルゴリズム取引と人の手によるマニュアル取引の割合を示したグラフ。
マニュアル取引の割合は2007年 約70% → 2010年 約45% → 2013年 約30%と、この6年という短期間で激減しているのが分かる。
2013年に約70%の取引がアルゴリズムで行われていたとすると、2015年Q4の今は80%程度がアルゴリズムによるものと考えても不思議は無い。


何故ここまで一気にアルゴリズムが浸透したのか・・・と書くとかなり長い文章になるので短くまとめると、

・ドッド・フランク法やボルカールールに代表されるように規制の嵐
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2013/12/post-3130.php
・金融機関の体力低下に伴いコストに対する意識の変化
・テクノロジーの進化
・FIXレートやLibor probeなど不祥事を未然に防ぐ為

というような理由からだと個人的には思っている。
大きな方向性としてはそもそも、取引執行の機械化という流れは必然だった。
ヒューマンディーラーよりもアルゴリズムの方が稼げて人件費も掛からなくて効率も良く不正も行わない、となれば導入しない手は無いだろう。
2008年の金融危機はその契機となったが、起こってなくても流れは変わらなかっただろう。



先日ツイッターで呟いたのはそういう事を指しての事。

21313

そして、アルゴリズム取引での注文が増えた結果、注文の小口化が進みマーケットインパクトは激減。
プライスアクションから相場を読むのが難しくなったというトレーダーは多いと思う。

しかしそれを愚痴っても収益が増える訳でも無いので、頑張って生き残りましょう・・・

 

と、久々に長くて難しめの記事でした。

この後22時からインタビュー本vol.2の通販の第2部なのでよろしくお願いします!!
https://cattles.booth.pm/items/144467

スポンサーサイト
別窓 | 未分類 | コメント:0 |
<<来週の予定 - FOMC議事録にイエレン講演。 | 経済指標研究所 by 黒猫アイランド | 今週の予定 - いよいよFOMC。>>
この記事のコメント
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

| 経済指標研究所 by 黒猫アイランド |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。