スポンサーサイト
-------- -- --:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
別窓 | スポンサー広告 |
最近の金融商品や相場、中央銀行について思った事、雑感。
2015-03-02 Mon 12:26

saxo tf

一時期、次の流行商品として期待されたソーシャルトレードは一向に火が付かず。
噂で聞く限り、金融庁の姿勢は頑なでは無いものの、配信者側、つまりトレードアイデアを
出す側にFX業者が報酬を与える事に難色を示しているので、メリットが無いらしい。
CurrenseeやZulutradeに関しても、金融庁は配信者側が投資顧問の資格を持たずに
助言行為を行って報酬を得る事に関して問題視していたとされ、日本人は追い出された。

FX業者自体が投資顧問資格を有する事でソーシャルトレードに許可を出す方向性では
あったらしいが、やはりそのスキームでは報酬は出せず、win-winにはなれないのだろう。
生産性の低いシステムに億単位のコストを掛けれる程、今の業者は体力が有る訳では無い。

ソーシャルトレードは恐らく流行る事は無いのだろう。
Tradencyに代表されるMirror Tradeがコスト的にも精一杯ではないか。


fxcrown

某FX業者がこんな不思議なスキームのファンドを作った。
例えば銀行Aから豪ドルを買うとスワップ金利が80円/日、逆に銀行Bで豪ドルを売ると
スワップ金利が-50円/日、なのでその差額がそのまま利益になる、というものだ。
例えば、本日のスワップ金利を見るとその某FX業者は1万通貨辺り80円で、某大手
FX業者で売ると-46円なので、差額としては34円、1日辺り0.34pipsになる。
0.34pips × 31日 = 10.54pips、10.54pips × 12ヶ月 =  126.48pips。
スプレッドコストが多く見積もって4pipsだとしても、確かに悪くは無い。

が、上記の取引を行う場合は幾つかリスクが存在する。
一つは為替変動リスクで、仮に30円の変動に耐えれるようにレバレッジを低く抑えると、
1万通貨の売り買いでは最低でも30万円の資金を2つの業者に入れておく必要がある。
60万円の資金に対し、1万通貨なので12ヶ月で12,648円 - スプレッドコスト。
年率に直すと2.1%だが、マイナススワップの口座は時間経過と共に幾分資産が目減りする。
30円の変動は極端だとしても、年間15~20円の変動を想定するのは妥当だろう。
そもそもがスワップ金利差目当てなので、頻繁に売買する類のものでは無い。
それでも資金は1万通貨辺り30~40万円は欲しいところで、年率で3~4%だろう。
外貨預金の代用として、少額突っ込む程度であれば良いのかも知れないが、
長期が前提となる取引で資金が拘束されると考えると、あまり割が良いとは思えない。

二つ目のリスクは金利変動リスク。
今週のRBA理事会では利下げ予想が優勢で、もし実現すればスワップ金利も目減りする。
スワップ金利の目減り、というのは売り買い両方が目減りするという事だ。
これまで業者A買い - 業者B売りで30円だった差が、25円になり兼ねない。

また、金利変動リスクというのは政策金利だけに依存するものでは無い。
信用収縮が起こった2008年辺りでは一時期、明日はこの金融機関が潰れるのではという
相互疑心暗鬼となり、米ドル資金の需要が増大し、米ドルの短期金利は急騰した。
その結果として米ドルのスワップ金利は急騰する事となった。
その後は一変、中央銀行は大量の米ドルを市場に供給し、結果的に米ドルの金利は急低下。
政策金利に十分差があった時、ドル円ロングでマイナス金利にさえなったと記憶している。
今でさえ短期金利市場は安定しているが、だからと言って未来永劫安定するものでは無い。
(参考:http://forexpress.com/columns/blog.php?ID=263&uID=sato
こちらも:http://www.nikkeibp.co.jp/article/mon/20110209/80117/?ST=mon)

最後のメジャーなリスクとしては、業者リスクだろう。
分かる人には分かるかも知れないが、「クラウン」という名前の印象はあまり良くない。
その辺は個人的なもので、旧経営陣は一掃された今、関係無いのが実情だろう。
箱だけを買ってFX会社運営を始めた現経営陣には罪は無く、冗談という事にしておきたい。

本質的な問題としてまず、この業者は法人に対し最大レバレッジ1000倍を許容している。
1月のSNBショックでEURCHFをレバレッジ900倍でロングしていたらどうなっただろうか。
しかも問題は、個人では無く「法人」という形態だ。
法人であれば最悪の場合、破産すればその責任は個人には及ばない。
勿論個人として法人の保証人になっていれば別だが、責任は有限なのだ。
レバレッジ900倍を利かせてSNBショック以前に1.2010辺りで大量にEURCHFを
ロングし、例え何十億の負債が出たとしてもその責任は問えないし、回収も出来ない。
如何にリスクに無頓着なのかは火を見るより明らかだろう。

そして為替リスクと金利変動リスクが常にある中、このスキームが成功するのかという疑問。
FX業者は十数社以上のカウンターパーティー(主に銀行、少数のHFなど)からレートや
スワップ金利を提示されるのが一般的で、その条件は幾分交渉の余地があるのは確かだ。
その某社が書いている通り、スプレッドがワイドな分スワップ金利を高めにもらったり、
取引を優先的に銀行Aと行う見返りとしてスワップ金利を高め、低めに、というのはあるだろう。
だが外銀というのは実に気難しいもので、その条件が長く続くという事は滅多に無い。
金利変動リスクと同様に、条件の変動リスクというものも付き纏うのが日常だ。
果たしてこの弱小FX業者がこの先も「良い条件」を貰い続ける事が出来るのだろうか。

このファンドは49名で総額10億円限定との事で、あくまでもニッチな物という自覚はあるらしい。
総じて私自身はこのスキームには懐疑的なのだが、それは見守ってみるしか無い。
金融庁を恐れて他がやらない事をやっている点だけは、評価出来ると思う。


bandicam 2015-01-18 19-28-52-307

そして最後に相場に関して。
一つ取り上げると話が長くなってしまうのが悪い癖なので、これで一旦最後に。

果たして中央銀行とは、市場との対話とは何なのだろうか。
日銀は昨年10月第一回目の会合で据え置きを決定。
会見で黒田総裁は「来年度中心の時期に2%達成という状況なら調整必要無い」
と発言し、同月31日の二回目会合までに特段リスクが著しく顕在化した状況に無いにも
関わらず、QQE2が決定され、その理由として原油価格下落によるインフレ期待低下を挙げた。
10月7日から10月31日までの僅か24日で、どういうリスク要因の変化があったのか。

ECBは昨年12月会合ではQEを決定せず、会見でドラギ総裁も1月の導入には否定的だった。
「ECBが1月に新たな措置を決定するとは限らない。」
全体的に過度なハト派とは遠く、ユーロはショートカバー優勢となり買い戻された。
しかしその会見から僅か3時間後の事。
「ECBは1月会合に向けて大規模なQEパッケージの準備を進めている」
とのヘッドラインが突如飛び込んできて、市場関係者はただただ、呆れるしか無かった。
総裁の発言=理事会を代表しての発言であり、それが3時間で変わるとは。
今となってはドラギマジックだったのか、ドラギイリュージョンだったのか。

SNBは今年1月15日に、EURCHFの下限フロアを撤廃。
ECBによるQEが決定打となり、市場に屈服する事となった。
それが賢明な判断だったかどうかは、後に歴史が語る事になるのだろう。
少なくともあの時点ではユーロ圏の景気回復と共にEURCHFの先高観を
どの銀行も打ち出していて、何故今更このタイミングでなのか、という思いが強かった。
裏ではCHFへの流入などで色々と気に病む事があったのだろうが、同情は出来ない。
1月12日にダンティーヌ副総裁が「対ユーロでのフラン上限は今後も金融政策の基礎」
と明確に発言しており、中央銀行を信頼してローン契約や為替取引を行った人も居たはずだ。
それが一転して15日に突如「ペッグ制を廃止する」と言われたら、言葉も出ないだろう。
トレーダーは勿論だが、一番の被害者はスイスの輸出業者に違いない。
3日でマインドが変わるとは、痴呆でも患っているのか。

そしてFed。
先日のFOMC議事録では今まで明確なリスクと見なしていなかった原油安とドル高が
突如としてリスク要因とされ、Fed高官の発言からも読み取れなかった程のハト派具合に。
ドル急上昇局面や原油急落局面が一服した段階でそれがリスクとして認識され、
原油安が景気にポジティブで中期的には物価上昇を促すはずが逆に景気に逆風だ、
と数人のメンバーが語ったとまで踏み込んでいて、突然の豹変には呆れてしまった。
勿論、FOMC議事録というのはFOMC声明以上に極端な内容となり易い、という点、
そのFOMCが良好だった2月発表のNFPより前に開かれた点というのは割引いて見る
必要があるのだが、それでもいきなりの心変わりには全く以って納得が出来なかった。
ただそれを受けたドル安は一時期的で、市場も議事録を本気で取り合ってはいない。

こう書き出してみると、ただただ呆れ返ってしまう。
一体、何の為に中銀の声明や発言をチェックしているのだろうか。
勿論、日銀やECBは通貨安を望んだ結果としての行動であり、SNBはそれまでの金融政策
から抜け出すにはbad surpriseになろうともいきなり行う以外に方法は無く、またFOMC議事録
では極端な意見があたかも委員会の総意のように誇張されてしまう、という事情は分かる。
現在日銀やECBが行っている非伝統的金融政策で通貨安のトレンドを形成したり、
一層の金利低下やインフレ期待の向上を促す為にはサプライズは必要なのだろう。
前体制と同じ方法を踏襲してもあまり効果が得られないという事も十分に分かる。

が、輸出や輸入、債券・金利トレーダー、その他金融関係者やトレーダーあっての
市場であり、金融政策を円滑に行い、また効果を最大化する為の対話では無いのか。
合議制とは言え総裁や副総裁としての立場で話すのであればそれは組織を代表して
話をしている事に他ならず、つい最近否定した事をいとも簡単に覆すのはどうなのか。

恨み節を全開にするような損を被った訳では無いが、トレーダーとしてアホらしくなる。
最近になってようやく、中銀関係者の発言は話半分程度に聞く、という事を覚えてきた。
効果があるかも分からない非伝統的政策を取る中央銀行が増え、気合で物価を2%に引き
上げるという中銀を持つ国に居て、まともに中銀をウォッチしてきた人々がバカだったんだろう。
時代に身を合わせる、という事を改めて痛感されられた。

 

と、愚痴も含めて長くなってしまったのでこの辺で。

スポンサーサイト
別窓 | 未分類 | コメント:0 |
<<来週の予定 - NFPの余波が残る週。基調はドル高、か。(※現時点での予想) | 経済指標研究所 by 黒猫アイランド | 来週の予定 - 金融政策会合ウィーク。利上げ時期に影響する?NFPも。>>
この記事のコメント
コメントの投稿

管理者だけに閲覧
 

| 経済指標研究所 by 黒猫アイランド |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。